長い歴史のある集落の中に、夫婦と子ども2人の家族4人で暮らすための離れの計画である。

敷地内にある母屋をうまく使うことを想定しながら、最小限の住まいの形を模索した。

平屋で仕切りのないプランは住み方の変化を想定したものとなっている。細長い形状の中央に水回りをまとめ、パブリックなLDKと寝室を離すことで間仕切なしでも成立するようにした。いつかこの地を巣立つかもしれない子どもたちのためだけの部屋はない。

細長い形状をそのまま活かし瓦屋根でまとめた。水平を強調する下見板張りの焼杉はこの地の風土を吸収しながら経年変化を重ねるだろう。淡路島で作られた美しい瓦屋根とソーラー一体型金属屋根はこの集落に懐かしいようで新しい風景を作っている。

この地が紡いできた風土を受け止め、次代へ継いでいく暮らしを